今年もあとひと月となりましたが、みなさまお変わりありませんか。
いよいよ冬本番となっておりますので、体調を崩されませぬようお気をつけてお過ごしください。
――――――――
12月といえば、「大晦日」。大晦日といえば「除夜の鐘」ですよね。
今回はそんな除夜の鐘についてご紹介いたします!
除夜の鐘とは
12/31の大晦日の深夜0時を挟む時間帯に、各地の寺院でつく鐘のことをいいます。
日本の仏教行事のひとつで、中国・宋の時代の鬼払いを由来としており、もともとは毎月最終日の夜に鐘をついていたのが、大晦日の夜だけになり、その風習が鎌倉時代に日本の禅寺に伝わったとされています。
また、除夜の鐘は、人間の中にある108個の煩悩を取り除くために、108回つくといわれています。多くの寺では23時前後からつき始め、年内中に107回ついて、108回目の鐘は年が明けてから打たれるのが一般的です。
しかし近年では、参拝者が多い場合には人数に合わせて108回以上つく寺院もあり、回数やタイミングなどは寺院ごとの考え方によって異なるようです。
煩悩とは
仏教用語のひとつで、心身を悩ませたり煩わせたりするような、人が生きる時に感じる苦しみの原因になるもののことです。
煩悩は人間の内側に108個あるといわれていますが、この数はたくさんあるということを示唆したものなので、明確に108個あるという訳ではないそうです。
108個という数字が出てきた由来には諸説あり、いくつかご紹介いたします!
説①「六根:感情の合計」
六根とは仏教用語で人間にある「眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)」という6つの感覚を指します。
この六根と呼ばれる感覚を味わった際の感情を表す「好・悪・平」、さらに「浄(=きれい)・染(=汚い)」と時間軸である「過去・現在・未来」を組み合わせると、感情の数の合計が108になります。
この数が除夜の鐘の回数になっているという説です。
説②「十纏:九十八結:悪いとされている煩悩の数」
十纏とは人の中にある悪い人のことで、「無慚(むざん)・嫉(しつ)・無愧(むき)・悔(け)・眠(みん)・恨沈(こんじん)・慳(けん)・忿(ふん)・掉挙(じょうこ)・覆(ふく)」の10種類があります。
そして、九十八結とは、人間をこの世に縛り付ける98種類の執着や欲望の数を表しており、「九十九随眠」と呼ばれることもあります。この十纏を九十八結の数を足すと、10+98で108になり、この数が由来となっているという説です。
説③「歴:1年の歴の合計」
1年の季節や気候の変わり目と足した数だという説もあります。
四季に加えて、立春・春分・夏至など季節の変わり目を6つに分けたものを「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼びます。その二十四節気を、初候・二候・三候などさらに細かく分類したものを「七十二候」と呼び、それらと1年の月の数を全て足すと、12+24+72で合計が108になります。