

ようやく寒い季節に終わりが見え、春の兆しが感じられるようになったこの頃、みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか。
早速ですが今回は3月3日の“ひなまつり”にちなんで、代表曲である「うれしいひなまつり」に関する知識をご紹介いたします!
【1番】
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日は楽しい ひなまつり
――――――
ぼんぼりにあかりを灯し、桃の花を飾るひままつり定番の情景が描かれています。“ぼんぼり”は長柄の灯具のことで、ろうそく立ての周囲が和紙や絹で覆われています。“ぼんぼり”という名前は「ほんのり」から転じて生まれたという説もあるように、優しく柔らかい光を灯してくれます。また、桃の花には「厄除け」や「不老長寿」などの意味が込められており、ひなまつりにぴったりのお花です。

【2番】
お内裏(だいり)様とおひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした姉様(ねえさま)に
よく似た官女(かんじょ)の白い顔
――――――
お姫様とお殿様がすました顔で並んでいて、三人官女の一人は嫁いだお姉様に似て、色白な顔をしているようです。詳細なことは明確には言及されていませんが、作詞者であるサトウハチロー氏のお姉様のことを描写しているという説もあります。
【3番】
金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒(しろざけ) めされたか
あかいお顔の 右大臣
――――――
金の屛風に映った灯りの光が、そよぐ春風に揺らめいています。右大臣は赤ら顔をしていて、お酒を飲んで酔っ払っているようです。
この右大臣は、平安時代では太政大臣や左大臣に続いて位が高く、主に政務職の統轄をする役割を果たしていました。ひなまつりの時ばかりは楽しそうに羽を休めている様子がうかがえます。
【4番】
着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり
――――――
3番までは飾られた雛人形の様子を歌っていましたが、4番でひなまつりの主役である女の子に視点が移ります。3月3日のこの日は女の子にとって特別な日。着物を着がえて、帯をしめる。晴れ着に着がえて、うれしい気持ちが表現されています。